音声言語  

 言語野の始動

 ヒトとしての歴史の中で、長い年月をかけて育てられてきた音声言語は、大脳の中にブロッカ野、ウエルニッケ野として定着したエリアを占めています。        

  

文字言語

 [文字言語 視覚野の参加 ]

 

  文字言語は視覚野の参加で成り立っています。

 ヒトが文字を使い始めて未だ5000年あまりしかたっていないので、脳の中に特定のエリアを持たない文字言語は、音声言語に比べると、学習努力の必要な言語だと云えます。、

  

 ≪読字障害 Dyslexia)≫

  ことばの遅れはなく、視覚による記号の学習だけに、特別な困難を感ずる子供たちがいます。

  話し言葉に対し、文字や記号などといった書き言葉に関する困難があるところから『読字障害』と言われ、学習障害(LD)の中に分類されます。

「読み」だけではなく、「書き」の障害を伴うことも多いものです。

  一度獲得された能力が、脳の障害や病変によって失われるものを失読症(alexia)     というのに対し、発達性の障害を区別して読字障害という場合もあります。

  文字の習得時に、似た文字の見分けがつきにくく、書字にも左右の混乱が起きることがあります。

 これらは視覚認知の問題・・形の恒常性、空間の位置の理解、図形と素地の見分け、視覚と運動の協応などがうまくいかないことが原因といわれます。。

 このような問題を抱える子どもは、学習場面では、記号の意味を理解出来ないまま、遂次読みで文字を拾って読んでいる場合が多いものです。    その為、文の内容が理解出来ず、教科書を丸暗記して凌いでいるという、苦しい学習状況に追い込まれる場合が多いようです。

 文の内容や意味が理解出来ないのではなく、『文字記号の理解が出来ない障害』だということを周囲が判ってあげることが必要なのです。