ホモ・サピエンス

 

ヒトは言語を獲得したことによって自己を完成し、無限の能力を発揮できるものになりました。    

 はじめは、ただの叫び声だった音声を、多くの世代をかけて言語というものに育て、 それによって思想を作り、世界と自己をおのれの脳の中で意識できる存在になったのです。    

 

   言語によって、ヒトは知識を後世に伝え、

           その知識は世代を超えて展開することが出来るものになったのです

 

見て理解するだけではなく、想像し推論してまだ見ぬ世界をイメージできること・・。

 個人の経験を人に伝え、世代を超えてさまざまな論理を展開できること・・・

 それがことばの世界の素晴らしさなのです。

 

ヘレンケラーの場合

 

1歳の時の重い病気で、視覚、聴覚に重い障害を受けたヘレンは、外界からの情報から遮断された幼児期を送っていました。 

7歳の時、サリバン先生に出合ってことばの世界を獲得することが出来、それ以後、教育の恩恵を受けて素晴らしい人格が花開き、多くの人に希望を与える講演を続けた人です。

 

・・・サリバンがヘレンに教えたかったこと・・・それこそが≪ことばの世界≫なのです。

 

 人はこうして「言語化された世界」を成熟させ、思考・思想を組み立てていくことが出来るのです。