ことばの遅れ

 

知的障害のよるもの

 知的障害の診断は、知能テストなどで測定される「知的能力」と、社会生活を営むために必要な行動をとる力「適応能力」を元にします。

言語面では、語彙の量的な増加まではうまく獲得出来ても、次の質的転換期・・構文(文法)の獲得に困難を示すことが多いものです。

  (助詞の獲得がうまくいかず、単語レベルのコミュニケーションが多い) 

 

 

 広汎性発達障害によるもの

 

  発達障害は、「コミュニケーション能力」や「適応能力」などで診断します。  知的障害と発達障害の診断では、重なる部分が多々あります。

  自閉症とは、3歳位までに現れ、①他人との社会的関係の形成の困難さ、②言葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害であり、 中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定されます。

 

   アスペルガー症候群は、知的発達の遅れを伴わず、自閉症の特徴のうち言葉の発達の遅れを伴わないものを言います。 (高機能自閉症やアスペルガー症候群は、広汎性発達障害に分類されてきましたが、最近は少し違った見方をされる方向もあります)

 

  ☆サヴァン症候群(savant syndrome)☆ 

 知的障害や発達障害などのある者のうち,ごく特定の分野に限って、優れた能力を発揮する者の症状を指します。

  絵画などの世界で能力を発揮している方もあります 

 

聴覚障害

 聞こえの問題は伝音性(音が聴覚神経に伝わるまでの道筋の障害)と感音性(聴覚神経の問題)によって対処の仕方が違います。  

口蓋裂

 現在では出生時の手術で補綴されるため、以前のように口蓋裂構音で苦労することはほとんどなくなりました。たまに、粘膜下口蓋裂で発見が遅れて、鼻腔構音などの構音障害が出るケースもありますが、手術と訓練で問題は残りません。  

吃音

 デモステネスや韓非子で知られるように、昔から吃音という障害はそれを持つ人の人生に大きな影響を与えてきました。 

 現在でもまだ吃を完全に治す方法は見つかっておらず、吃音に対する社会の理解も乏しいという現状があります。 

 吃音の問題点は、音声面での発語の困難さだけではなく、発語に対する予期不安や自己不全感など心理的な問題が大きく絡み合って問題を複雑にしていることが多いものです。吃は、それを何とかして治そうとするのではなく、吃がありつつ、しかもそこにとらわれることなく自己の能力を伸ばし、素晴らしい個性を育てるような支援をすることが大切なのです。現在では吃の状態を軽減する方法は工夫されています。 そのような手法をマスターしつつ、心理面のサポートを受けて、自分らしく生きる力を身に着けることが大切です。